上皇ご夫妻は28日、東京・浅草発の東武鉄道の特別列車で栃木県日光市を訪れた。上皇さまが戦時中に疎開した地をたどる私的旅行で、31日まで滞在する。
日光市は太平洋戦争末期、上皇さま(当時は皇太子)が疎開し、およそ1年4カ月間過ごした地だ。私的な旅行という位置づけで疎開先をめぐる日光訪問は、在位中にも3度計画されたが、災害の発生で旅行を自粛するなどし、実現していなかった。
ご夫妻は正午過ぎに、東武日光駅に到着。駅前では、集まった人たちに上皇さまが手を振り、上皇后美智子さまも会釈するなど歓迎に応えた。
市内の日光田母沢御用邸記念公園では上皇さまが1944年7月から1年ほど滞在した旧御用邸の庭を散策。手を取り合うなどいたわり合いつつ、クリンソウやナスヒオウギアヤメなどを見て回ったほか、上皇さまは建物を示し、「あそこで勉強した」と上皇后さまに説明した。2001年にお二人で植樹したイチイの木の前で、現在は約3・5メートルに成長したことを聞くと、上皇さまは「ずいぶん伸びているね」と語った。
このイチイの木は、上皇さま…